売価21円でも事業化できる⁉ 世界大手ファーウェイが示したPCSソリューション
2017.03.01
PVeyePR
今年4月から太陽光発電の売電単価が21円に減額されると、新規のメガソーラー開発は益々減少しそうだが、PCS(パワーコンディショナ)世界大手の中・ファーウェイ(華為技術)が、事業化の実現に向け、ソリューション提案を強めている。
来年度以降、メガソーラーの新規開発が実現するためには、売電単価21円でも発電事業者が投資収益を確保できる状況が生まれなければならない。ただ、設備費や施工費の低減をはじめ、発電量の増加やO&M(管理・保守)の効率化など、課題は多く、いずれもハードルは高い。
それでも、ファーウェイスマートソーラー日本事業部ゼネラルマネージャーの李紅彬氏は、「当社のスマート・ソーラー・ソリューションを活用いただければ、まだまだ事業化は可能です」と言い切る。李氏の言う「スマート・ソーラー・ソリューション」とは、同社の33kW機と40kW機の中型PCSによる分散設置のことだ。「ソリューション(解決)」と言うだけあって、同社のPCSは発電事業者の抱える課題を解決してくれるらしい。ならば、具体的にどう事業化に貢献するのか。
初期投資額5%削減
かつて、大規模な太陽光発電所では、主に大型PCSが使われていたが、大型PCSを置くための土地造成や重機の伴う大掛かりな基礎工事が必要だった。これに対し、中型PCSを多数台使う分散設置は、土地造成や基礎工事を省けるほか、直流側の接続箱や集電箱、あるいは大型PCSを収納するエンクロージャも不要になる。
ファーウェイによると、大阪府内の出力2MWの太陽光発電所を大型PCSで設計した場合、初期投資額が20・2万円/kWになったが、中型PCSに置き換えたところ、19・1万円/kWまで圧縮できたという。発電事業者は、中型PCSの分散設置を選べば、大型PCSと比べて、1kWあたり5%初期投資額を削減できるというわけだ。
中型PCSによる初期投資のコスト優位性は2015年夏頃から知られるようになり、いまでは中型PCSが主流になりつつある。太陽光発電所の適地減少に伴う傾斜地の利用が増えており、架台の下に設置できる中型PCSしか選択の余地がないケースが多いのだ。
初期投資額5%削減がファーウェイ・ソリューションの第一のメリットである。
発電量5%増加
第二に、発電量の向上による売電収入の増加だ。これは、同社のPCSに備わっているMPPT(最大電力点追従)機能の活躍によるものである。
MPPTとは、太陽の角度や日照量などに応じて太陽光パネル群の電流と電圧を最適なバランスに整え、出力を最大化する機能だ。通常1枚のパネルに影がかかって電流が下がると、抵抗値が上昇し、そのパネルと直列に接続されている他のパネルの発電量まで低下する。だが、MPPTが働けば、影響を最小限にとどめられる。
効果は、1台のPCSに割り当てられたMPPT回路数が多いほど大きい。ファーウェイのPCSには1台あたりMPPT回路が4つ備わっているため、発電ロスを大幅に減らせるのだ。
李氏は、「当社のPCSを選んでいただくと、1MWの発電所で約100回路のMPPTが働くので、大型PCSと比べ、発電量は大幅に増加します。山地など複雑な地形になると、効果は著しく表れます」と説く。
そのうえ、PCSの高い電力変換効率も発電量の増加に寄与している。ファーウェイのPCSには、パワー半導体モジュールが搭載されているほか、様々な稼働状況によって最大効率を実現するソフトウェアが内蔵。電力変換効率は98・8%と、他社製品を0.2〜0.5ポイント上回る業界最高水準だ。
O&Mを効率化
第三のソリューションは、O&Mの効率化によるコスト低減である。
一般に、太陽光発電所の異常を早く発見するために、常時遠隔から発電量を監視できる遠隔監視装置を利用する。ただ、発電量が低下する原因は多岐に亘り、遠隔監視装置だけでは原因を究明できない。ゆえに、パネルに影がかかって発電量が落ちる場合など、正常であるにも関わらず異常と誤認し、現場に駆けつけてしまう無駄足も少なくない。
だが、ファーウェイのPCSには、『スマート故障診断』が備わっている。遠隔からI‒Vカーブを測定し、波形の変化から不具合の原因を判断する独自の機能だ。
I‒Vカーブは、電流(I)と電圧(V)の積をグラフ化したもので、太陽電池が正常ならば緩やかな曲線、異常があれば乱れた波形となる。I‒Vカーブを測定すれば、太陽光発電所の異常を確認できる。
I‒Vカーブ測定は、技術者が現地で専用の機器を用いて実施する基本的な検査のひとつだが、日射量が一定以上なければ正確に測定できないうえ、計測時にPCSを1台ずつ停止させなければならないなど、簡単ではない。大規模な発電
所になれば、全ストリングのI‒Vカーブ測定に膨大な時間と費用がかかる。
しかし、ファーウェイのスマート故障診断があれば、ユーザーはいつでもストリングごとにI‒Vカーブを測定できる。測定時間は数秒程度だ。しかも自動で発電低下の原因を判断してくれるため、無駄に現地へ赴くことがなくなる。O&M費を削減に繋がるのは言うまでもない。
安心の高耐久性
以上3つのソリューションに加えて、高い耐久性もファーウェイ製PCSの特長である。PCSの故障率は10〜20%と言われているが、ファーウェイの製品故障率は0・35%しかないという。同社のPCSは、ファンではなく、自然放熱によって筐体を冷却する仕組みだから、故障率が低いのだろう。
ただ、何よりもメーカーとして確固とした品質理念がある。同社は100以上の国に無線送受信装置を拡販し、世界シェアはトップ水準だ。同装置は、過酷な環境下でも通信が途切れないよう、極めて高い耐久性が要求される。そこで培った品質管理のノウハウがPCS製造に生かされているに違いない。
ファーウェイがPCSの製造に着手したのが13年。15年には350MW、そして16年は1GWを突破したという。躍進の原動力は顧客目線のソリューションと止まらない進化だった。17年以降も市場を開拓するトップリーダーとしてさらなる活躍に期待したい。
華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)
〒100-0004東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエアウエストタワー10階tel.03-6266-8008
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