ファーウェイ、低圧PCS堂々発売
2017.04.01
PVeyePR
PCS(パワーコンディショナ)世界大手の中国ファーウェイ(華為技術)が今年3月、低圧太陽光発電所向けの高効率PCSを発売した。小型で重量が通常の3分の1と軽く、高い施工性が特長だ。新製品の魅力に迫る。
コンパクトで軽い!
定格出力33kWと40kWの中型PCSによる分散設置で高圧太陽光発電所の設計常識を塗り替えたファーウェイ。次のターゲットは、出力50kW未満の低圧太陽光発電所市場なのだろうか。
同社はこのほど4.95kW機と4.125kW機の単相小型機を開発。両機を低圧太陽光発電所用のPCSとして売り出し、今年6月にも初出荷する予定だ。
新製品の特長は、まず構造がシンプルで、小さく軽い点である。たとえば、他社の製品にはPCS本体に操作パネルが設置されているが、ファーウェイの新製品にはWi‒Fiを介して外部で操作する仕組みが導入されており、本体に操作パネルはない。必要な機能しかなく、至ってシンプルだ。
事実、ファーウェイの小型機には電子回路基板が1つしか搭載されていない。制御回路を必要とする他社の製品に電子回路基板が複数存在するのと比べると、電子回路基板同士を繋ぐ複雑な配線が不要になる。
では、どれくらい軽いのか。驚くことに、1台の重さは10㎏ほどしかない。通常は出力4〜5kWクラスの小型機でも30㎏以上だから、ファーウェイは実に3分の1以下へ、大幅な軽量化を実現させたのだ。
軽量化によって施工性を向上し、作業員1名だけで素早く設置できるため、工事コストを大きく削減することが可能となる。
1.8倍の過積載にも対応
機能を省いて軽量化を図ったとはいえ、PCSそのものの性能はハイスペックだ。
ファーウェイによると、「抵抗やコンデンサといった基幹部品は日本製を採用し、5レベル制御方式を導入」。直流から交流に変換する電力変換効率は98.6%と、世界トップレベルである。
そのうえ同社は、PCSの出力以上の太陽光パネルを設置する過積載ニーズにも配慮した。4.95kW機と同時に4.125kW機を発売し、異なる過積載ニーズに対応する。
というのも、小型2機の直流入力電圧はいずれも600V×2回路。60セルのモジュールの場合、PCS一台に28枚接続できる。出力275Wのパネルならば、1台のPCSに接続可能なパネルの出力は7.70kWになる。4.95kW機の過積載率は1.5倍だが、4.125kW機は1.8倍まで高められる。
さらに同社は、新製品に、架台の裏や壁などに簡単に取り付けられる特殊な機構を設けた。ケーブルの取り付け口も、他社の製品のようなネジ止めの煩わしさを改良し、すぐにケーブルを取り外しできるようにしている。
故障診断機能も搭載
ファーウェイは、今回の小型2機種にも、独自機能の『IV曲線スマート診断』を導入した。
そもそも、太陽光発電所の異常を発見するために用いる遠隔監視装置では、発電低下の原因は究明できない。太陽光パネルに影がかかって、発電が低下したケースなど、正常であるにも関わらず、異常と誤認してしまうこともある。
だが、電流と電圧の積をグラフ化したI‒Vカーブは、正常ならば緩やかな曲線を、異常時には乱れた波形を描くため、I‒Vカーブを測定すれば、異常の有無を正確に判断できる。そこでファーウェイは、遠隔からI‒Vカーブを測定できる独自機能、『IV曲線スマート診断』を開発し、自社のPCSに導入したのだ。
ファーウェイ製PCSのユーザーは、あらかじめストリングごとにI‒Vカーブを測定できるようになり、無駄に現地へ赴くことはなくなったという。効率のよいメンテナンスを実施しているのであるが、それを可能ならしめた独自機能が今回の小型2機種にも組み込まれている。
今年4月から出力10kW以上の太陽光発電の売電単価が21円に減額される。市場関係者の間では、低圧太陽光発電所の新規建設が縮小するとの悲観論が飛び交い始めているが、設備費や施工費を削減でき、かつO&M(管理・保守)の効率化が図れるファーウェイの新製品を活用すれば、事業化のハードルが大幅に下がるに違いない。これを機にファーウェイのPCSを試してみてはいかがだろうか。
華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエアウエストタワー10階tel.03-6266-8008
http://www.huawei.com/solar
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