中国チントソーラーが日本に拠点 パネル拡販に本腰

2017.06.01

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 中国の総合電機メーカーで太陽光パネルを製造するチントソーラーが、昨年11月に日本法人を設立し、パネル販売を本格化した。高効率品から両面ガラス型やマイクロインバータ搭載型まで、品揃えは多彩だが、一体どのような企業なのか。母体となるチントグループの生い立ちから見ていく。
 チントグループは1984年、中国浙江省で誕生した。低圧から特高までの電気設備や建築機器、自動車部品などの製造・販売で業績を伸ばし、いまでは売上高8000億円、従業員3万人を超える中国有数の電機メーカーに成長している。
 太陽光分野に参入したのは2006年。太陽光パネルメーカーのチントソーラーを設立すると、セルからパネルまで自社製造を開始。現在、工場を中国国内に3ヵ所と、ドイツ、マレーシア、タイにも構え、パネルの年産能力は2.5GWにのぼる。業績は好調で、16年の売上高は1200億円、前年比約60%の大幅増収だった。
 このチントソーラーに加え、同グループは、パワーコンディショナや架台、接続箱、集電箱といった周辺機器の製造会社を抱えるほか、太陽光発電所を世界各地で開発、すでに3GWに達している。
 こうした事業の多角化が、同グループの健全な財務基盤を生み出し、信用力の向上に繋がっているのだろう。事実、15年に中国政府が発表した中国民間企業ランキングで、チントグループは太陽光関連企業ではトップとなる98位を獲得している。
 あるいは、ミュンヘン再保険のパネルメーカー向け再保険への加入も同社の信用力の高さの表れといえよう。チントソーラージャパンの鎌田康史社長は、「ミュンヘン再保険は、財務状況や製造体制、品質管理、将来性など厳しい審査を通過しなければ加入できないのですが、この再保険への加入を10年に初めて認められたのがチントソーラーです」とし、「以降、毎年審査を通過し、更新しています」と状況を語る。

強みは多彩な製品群

 親会社の健全な財務基盤が盾ならば、武器は多彩な製品群であろうか。
 チントソーラーは、6インチセル搭載の出力270Wの多結晶パネルと290Wの単結晶パネル、さらにPERC技術を採用した285Wの高効率多結晶パネルと305Wの同単結晶パネルまで、量産品のラインナップは充実している。
 これだけではない。同社は、両面ガラス型パネルや、マイクロインバータを搭載したACパネルなどの高信頼性パネルも製品化している。通常のメーカー保証は、製品保証10年、出力保証25年だが、両面ガラス製品など、ユーザーに製品保証12年、出力保証30年を付与しているものもある。
 鎌田社長は、「コスト重視の方には多結晶パネルを、設置面積が限られる場合は高効率の単結晶パネルを、厳しい環境下には高信頼性パネルを提案するなど、様々なニーズに対応できます」と胸を張る。
 さらに同社は、今秋にも、ソーラーシェアリング向けに従来製品と同じサイズで、セルの間に隙間を設けて光を採り入れやすくするパネルの販売も計画している。
 11年より日本市場へ太陽光パネルの販売を開始した同社は、すでに累計約400MW分のパネルを日本へ出荷した。「より日本の顧客に安心して採用していただくために」(鎌田社長)昨年11月には日本法人を設立、これまで以上に販売を強化していく構えだ。
 これから発電所を開発する事業者は、一度チントソーラーのパネルを検討してみてはどうだろう。

ChintSolarJapan株式会社
〒108-0073東京都港区三田2丁目7番12号徳文堂ビル8階
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