ファーウェイ製PCSを選ぶ理由

2017.06.01

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 今年3月、島根県で出力12MWのメガソーラーが稼働したが、ここでも中国ファーウェイのPCS(パワーコンディショナ)が採用されている。EPC(設計・調達・建設)を担ったパワーマックスの蘇慶社長に、ファーウェイを選んだ理由を聞いた。

 3月2日に稼働した『浜田カントリークラブMS太陽光発電所』は、島根県浜田市内田町のゴルフ場跡地に立つ。18・5kWの広大な敷地内には、4万6160枚に及ぶ太陽光パネルと、ファーウェイ製27・5kWのPCSが計364台設置してある。
 蘇社長は、ファーウェイのPCSを選んだ第一の理由として、「発電量が最も大きくなると期待できる点」を挙げた。ファーウェイのPCSは変換効率が98・7%と高い。「変換効率の差は数%でも、20年間の総発電量は大きく違ってくる」(蘇社長)。
 さらに、ファーウェイのPCSには1台あたりに3〜4回路ものMPPT(最大電力点追従)機能が標準搭載してある。MPPTとは、日射量の変化に応じて電流と電圧を最適なバランスに整え、発電出力を最大化する機能である。
 一般的に、ある1枚のパネルに影が落ちたり、一部のパネルにだけ日が当たらなかったりすると、そのパネルが抵抗となってストリング内の別のパネルや、そのストリングを束ねるPCSの出力まで低下させてしまう。しかし、MPPTが働けば、影がかかったパネルが他のパネルの発電量を下げる影響を最小限にとどめられる。PCS1台あたりのMPPT回路が多いほど、その効果は大きい。加えてファーウェイの中型PCSは、1ストリングに接続するパネルの枚数が大型PCSに比べ少ないので、MPPTがより効果的に働く。
 しかも、浜田カントリークラブ発電所は、もともとゴルフ場だった土地を極力造成せずに活用したというだけあって、敷地内は全体的に起伏が激しい。こうした現場では、各パネルの日射強度に差が生じやすい。「だからこそマルチMPPTが本領を発揮し、発電量が増加するはずです」と蘇社長は期待を寄せている。

優れた放熱性、防塵・防水性

 蘇社長がファーウェイのPCSを採用するのは、この現場が初めてではない。
 「建設中のものを含めると、40ヵ所、100MWにのぼります。高圧太陽光発電所ではほとんどファーウェイの製品を設置しています」(蘇社長)というから、他社にはないファーウェイの優位性を熟知しているようだ。
 蘇社長は、ファーウェイのPCSを始めて導入した際の経緯をこう話す。
 「以前、低圧発電所で他社製の小型PCSを採用しましたが、夏場40度を超えた際に停止してしまう事態が多発しました。そのため、その後で沖縄県の宮古島に2MWの発電所を建設すると決まった際は、放熱性能に優れた製品を探しました。そのとき、ファンを備えず、自然冷却で放熱するファーウェイのPCSに出会ったのです。稼働から2年が経過しましたが、宮古島の高温多湿な環境にも十分に耐え、発電量は高く、PCSそのものの電力消費量も少ないですよ」。
 ファーウェイのPCSにはファンだけでなく、ヒューズもない。消耗品を用いないという利点を持つほか、IP65を取得し、高い防塵・防水性も兼ね備えている。

O&Mの自動化で収益性向上に寄与

 ファーウェイのPCSで注目すべき点はほかにもある。その1つがO&M(管理・保守)に要する費用を大幅に低減するオプション機能、『フュージョンソーラー』である。これは各ストリングの発電量やI‒Vカーブの計測、キーデバイスの監視を遠隔から実施することで、発電所の見える化を実現するシステムだ。
 大規模メガソーラーを点検する場合、通常は広大な敷地を隈なく歩き回らねばならない。しかも、せっかく予定を組んで現地へ向かったものの、天候によっては上手く点検を完了できない場合もある。管理する発電所が複数あれば、そのリスクはより大きくなる。
 フュージョンソーラーがあれば、システムの性能維持に必要な監視を遠隔から自動で行えるため、こうした負担を大幅に軽減できる。
 今後、パワーマックスは浜田カントリー発電所のO&Mも請け負う。なお、ファーウェイによれば同発電所はフュージョンソーラーが導入された日本で最初の現場なのだという。
 蘇社長は「特別高圧の発電所を建設したのは今回が初めてでしたから、運営コストを下げる目的で採用しました。今後順次他の発電所へも導入していきますよ」と意欲を見せる。
 ただ、PCSそのものが故障してしまっては元も子もない。そこでファーウェイは、万が一故障した場合に新品と交換する体制を敷いている。これについて蘇社長は、「何かトラブルがあった際、他のメーカーの場合だと、先方の都合で何日も待たなければならないこともありましたが、ファーウェイのPCSを採用した現場であればその心配もなく、非常に安心感があります」と強調する。

重機不要工数も削減

 機械面だけではなく、施工性にも優れる。蘇社長は「この現場は起伏が激しいため、持ち運びがしやすく、架台下に設置できるファーウェイのPCSは非常に便利でした」と振り返る。
 仮に数100kW〜1MWの大型PCSを設置する場合、重機がいるほか、基礎工事が必要になる。さらに直流接続箱や集電箱も取り付けなければならない。一方ファーウェイのPCSは、重量約48㎏と2人で軽々と運べる上、直流接続箱や集電箱も必要なくなり、工数の削減にも貢献する。
 最後に蘇社長は、「会社自体が世界最大級の非上場会社であり、企業の信頼性が高いという点は言うまでもありません。20年その企業が続くかどうかという点で金融機関の評価も高く、融資も受けやすいのです」と付け加えた。
 そして「今後は住宅市場にも展開していきたいと思いますから、ファーウェイの新製品に期待したいですね」と思いを語った。
 蘇社長の挑戦に、ファーウェイのPCSは欠かせないようだ。低高圧発電所の建設を計画している事業者や建設業者は、一度ファーウェイ製PCSの採用を検討してはいかがだろうか。

華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)
〒100-0004東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエアウエストタワー10階tel.03-6266-8008
http://www.huawei.com/solar

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