[特別対談第4回]ベンチャー企業の役割 エコスタイル木下公貴社長×ESI土肥宏吉社長
2016.05.01
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ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長とキーパーソンの特別対談。今回のお相手は、出力50kW未満の太陽光発電所の建設で躍進しているエコスタイルの木下公貴社長だ。両社長がベンチャー魂をぶつけ合った。
土肥氏●日本の太陽光発電市場が踊り場を迎え、最近は事業を撤退される企業が増えています。業界全体の活力が失われかねない状況ですが、そんな陰鬱な雰囲気を吹き飛ばすかのように、貴社はPV事業で成長路線を歩まれていらっしゃいます。そこで今回は、ベンチャー精神溢れる木下社長に、経営哲学や事業観をお伺いできればと思っています。
木下氏●私たちは何か特別なことをやってきたわけではありません。単純に私たちが買いたいと思う商品を追求し、ご提供してきただけです。お客様が投資される商品とは、イコール私たちが投資したいと思う商品ですから、そこに向かって迷うことなく、ひたむきに努力していけば、今後も必ず事業を継続していくことができると確信しています。これからが本番です。気を引き締めていきます。
土肥氏●プレミアの3年間、PV業界はかなり優遇されていました。マーケットが盛り上がり、企業は様々な商機に恵まれ、多くの経験を積ませてもらいました。そういう意味では、充分に練習を積んだので、これから試合に挑むわけです。今後はお客様が求めるニーズを汲み取ったサービスをいかに提供できるかがカギでしょうね。
木下氏●はい。当社が常日頃心がけているのは、お客様との約束を守ること。約束とは、当社が施工を20年間補償し、お客様の発電所に対して定期点検を継続して実施することです。そのためには、20年後も当社は健全な状態で存在していなければなりませんから、丁寧に、きれいに、施工・販売することを心がけてきました。それが結果として、お客様から評価いただけるようになり、いまでは口コミで新規の注文をいただいております。
長期間の補償とは、言うは易し行うは難しです。そのことはお客様も分かっておられるので、やはり本気の姿勢を見せなければ、お客様と信頼関係を築くことはできません。当社は今後も太陽光事業を継続していきます。
土肥氏●心強いお言葉、勇気づけられます。というのも、最近はPV事業から撤退される企業が多く、当社にも顧客サービスなどの引き継ぎの依頼が増えているのです。今後も太陽光事業をしっかりと継続してやっていくという強い意思表示をされている企業が少ないからでしょう。
そう考えると、以前はあまり意識したことはなかったのですが、我々のようなベンチャー企業も、PV業界の将来を背負っていくという責任を持たなければならないと感じています。
向こう1〜2年はたくさんの案件を持たれている企業がまだまだ強いでしょうが、中長期的には、経営理念や事業の目的、あるいは事業モデルがしっかりしている企業でなければ生き残っていけませんから。
我々も貴社と分野は異なりますが、太陽光事業を徹底して継続していきます。
木下氏●政府の目指すエネルギーミックスによると、2030年までに64GW分の太陽光発電設備が設置されなければなりません。それによって、先のCOP21で、日本は30年までに13年比でCO2を26%削減することが決められました。これは国際公約ですから、反故にすることはできません。
これまでの太陽光発電の設備認定量は80GW程度に達していますが、電力会社へ接続申し込みされているものは約半分ですから、私は30年までに15GW以上の新規需要が創出されると思っています。その15GWはメガソーラーではなく、200坪の敷地があれば設置できる50kW未満の低圧発電所が中心になるでしょう。50kW単位で15GW分建設するのだから30万件ですよ。だからこそ、50kW未満にターゲットを絞って事業を展開してきました。
ぜひ他の企業様もお客様のために価格とサービス競争に取り組んで太陽光投資マーケットの構築に尽力してほしいと思います。蓄電池のコスト低減も進んでいます。近い将来、太陽光発電は基幹電源になるはずですから、もう弱点はない。皆さんまだまだ太陽光事業を諦めないでほしいですね。
土肥氏●40円でスタートし、買取り価格は24円まで下がりましたが、その過程であらゆるコストが下がっています。パネルはもうグローバル価格ですし、その他の設備や建設費のコスト低減も進展しています。ですから24円でも充分利益を出せるはずなのです。とくに今後、電気料金は上昇していくでしょうから、太陽光発電のコストは相対的に安くなります。太陽光がメイン電源になる日が近づいているので、チャンスですよね。
木下氏●私はFITがなくなることを想定して将来の事業を考えています。当社は電力を買い取れますから、いずれはお客様からkWh単価10円で買い取るつもりです。お客様は当社から50kWの太陽光発電所を購入して発電した電力を全量当社に売電するので、年間発電量を5万5000kWhとすると、年間収入は55万円です。
ここでお客様の初期投資が1000万円であれば、つまり当社が土地代と建設費込みの発電所を1000万円でお売りできれば、お客様の表面利回りは5.5%となります。かたや不動産投資は表面利回り3〜4%で大きな市場が形成されていますから、5.5%をご提供できれば成立するはずです。
200坪の土地代を約200万円とすると、建設費込みで800万円。すなわちkW単価16万円へのコスト低減ができれば、FITがなくとも、これまでの売電モデルは成立する。当社は5年以内に実現しますよ。
土肥氏●買取り価格10円でも事業を成立させようという高いコスト意識を持たれていらっしゃるとは思いませんでした。そのような発想はなかなか生まれません。やはり太陽光業界はまだまだ進化の過程にあって、それを企業が技術力や発想力で牽引していかなければならないので、ベンチャー企業の存在は欠かせないのでしょうね。当社もまだまだドライブをかけていきます。これからイノベーションを起こしていきましょう。
ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社
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