藤崎電機、EPCの実績活かし接続箱拡販 塩害・積雪・水上どこでも使える!
2015.03.01
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太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)で実績を上げている藤崎電機(徳島県阿南市、藤崎耕治社長)が、接続箱の製造販売に力を入れている。累計出荷数は3000台にのぼり、今後2年間で3万台の販売を目指す。
同社の接続箱は、塩害の影響を受ける場所でも使用できる。耐候性に優れたポリカーボネイト樹脂の筐体で内部の電気回路を覆い、防塵・防水性能は保護等級IP₆₆の水準である。密閉構造による結露の影響も考慮し、防塵・防水対応のフィルタを標準装備した。小型・軽量も特長のひとつで、16回路であれば600㎜×400㎜×210㎜と、女性一人で持ち運べるコンパクトサイズだ。
開発の経緯について、エンジニアリングカンパニーCOOの近藤雅也執行役員は、「当時、塩害地域で使用できる接続箱が少なかった。当社は制御盤を製造していたので、その技術を応用して開発したのです。自社の発電所で試験的に使いながら、徐々に外販していきました」と振り返る。
同社は当初、防塵・防水性能を追求した。水没しても内部に浸水しないIP67の準拠品として蓋式タイプを製品化する。その後、ユーザーの施工性や利便性に配慮し、箱と蓋を一体にした片扉式タイプを開発すると、同製品の注文が急増。いまでは片扉式タイプが受注の9割以上を占めている。
製品はすべてオーダーメイド、案件によって設計している。施工業者が現場で行う入力用コネクタの取り付けを予め出荷前に加工しておいたり、通常は2〜24の入力回路を要望によって増やしたり、ユーザーの細かいニーズに対応している。
近藤執行役員は、「塩害・積雪地域だけでなく、水上設置型の太陽光発電所にも出荷してきた。販売実績は3000台を超え、今後2年間の目標は3万台だ」と語る。
同社の太陽光事業の歴史は古い。1999年に参入し、住宅用太陽光システムの施工・販売や公共産業用設備の工事を手掛けてきた。FITの導入後は、大規模発電所のEPCを請け負い、ファイナンス提案まで行う子会社ガイアパワーを設立、用地開発から企画や設計、建設、運営、そしてメンテナンスまで、グループで一貫して受注できる体制を築いた。杭打ち用の重機も2台完備し、自社開発の監視装置も製造、施工実績は約75MWにのぼり、今後約300MWの計画がある。
同社は、自社発電所の開発にも積極的だ。現在5ヵ所、計8.3MWの発電所を運営しているが、このほど、傾斜地への施工経験が豊富な欧州メーカーの架台と杭を用いて、福島県に出力約1MWの発電所を建設した。
ガイアパワーの陶久晴岳執行役員本部長は、「適地が減少していくなかで、今後は傾斜地での建設も増える。架台や杭など製品の選定にこだわった。今後は他社が施工をためらうような場所でも、建設を任せてもらえるよう実績を積み上げたい」と意欲的だ。
太陽光事業17年目を迎える藤崎電機は、チャレンジ精神を忘れない。すでにバイオマスや風力発電など他の再エネ事業にも着手している。太陽光のEPCから総合エネルギー企業へ。同社の挑戦はまだまだ続く。
藤崎電機株式会社
徳島県阿南市辰己町1番地38
TEL:0884-21-0555
FAX:0884-21-0505
http://www.fujisakikk.co.jp/
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