Looop世界戦略の第一歩 高耐久性・低価格の〝メイド・イン・ジャパン〟モジュール発売
2015.03.01
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太陽光マーケットが大きく変わろうとしている2015年、再エネベンチャーであるLooop(東京都文京区、中村創一郎社長)が新たな挑戦を始めようとしている。それが〝メイド・イン・ジャパン〟モジュールの生産だ。高耐久性と価格競争力を武器とした新型モジュールとして、今夏にも出荷を始める予定だ。
同社が新たに生産・販売を開始するモジュールは、多結晶シリコン型と単結晶シリコン型。ただし、単なるシリコン型ではない。その最大の特徴は、高い信頼性を有する『両面ガラスモジュール』であることだ。
一般的なモジュールでは、裏面にバックシートを使っているが、それを同社は5400Paの機械強度を持つ強化ガラスに変更。事業本部第二営業部の若林輝男主任は、「飛来物や突風などに対する耐久性が高く、熱などに対する耐候性も強い」という。
さらに生産拠点は国内に置く。委託先の工場では、最新鋭の製造装置を採用し、高い品質基準での生産を行う。また、「耐PID性能も含めた高耐久性を目指すべく、(モジュールの)材料選定にもこだわった」(若林氏)。
これら高い品質基準での生産・高耐久性を持つ部材選定により、自社ブランド品としては初となる30年のリニア保証(30年目で80%の出力保証)を実現させる予定だ。
一方で、両面ガラスモジュールは、一般的な片面ガラス品に比べて、重く、出力も落ちる傾向にあるが、同社はその課題の改善にも取り組んだ。厚み2㎜の強化ガラスを採用したことにより、従来型モジュールと同程度の重さ約20㎏を実現。セル枚数60枚で多結晶型260W、単結晶型280Wの高出力が見込める。
若林氏は、「高出力セルを使っているうえ、封止材に波長変換型もしくは紫外線透過型のEVAを採用することで、出力を底上げした」という。
事業期間30年以上で収益性アップ
足下の国内市場では、買取り価格の低減や度重なるルール改正により、太陽光発電事業の参入条件は年々厳しくなっている。15年7月以降は、プレミア期間が終了するため、新規開発のハードルが格段に上がるだろう。事業化のポイントは、コストダウンかつ収益性向上をいかに実現させるかということになる。
発電事業では、売電期間が長ければ長いほど、収益性はアップする。その前提条件として、モジュールの高信頼性は欠かせない。同社は、新発売するモジュールの出力保証を30年とする予定だ。20年を超え、30年を見据えた発電事業ができるものだ。
若林氏は、「当社は、材料調達から生産、物流まで一貫して担っている。従来型と遜色ない価格帯で提供していく」という。
この新型モジュールは、耐久性・耐候性が高いため、条件が厳しい環境下でも設置でき、EPC(設計・調達・建設)企業や商社にとっては、メガソーラーやミドルソーラーに提案できる新商材となり得る。それに住宅用太陽光システムに組み込むことで有力な差別化戦略を描けるかもしれない。
さらに同社にとって、この新型モジュールは、世界戦略の足掛かりともなる。
同社は、今年1月にアラブ首長国連邦で開催された展示会にて同モジュールを先行披露した。〝ジャパンブランド〞を武器に、世界進出への取組みを加速させているのだ。
「脱FITを目指すには、世界進出が一つの選択肢。円安が進むいまこそ、我々がモジュールメーカーになる最後のビッグチャンスではないか。もちろん当社の『MY発電所キット』にも搭載していく予定だが、世界でも戦える商品にしていく」(若林氏)。
株式会社Looop
東京都文京区本郷4-1-4常和本郷ビル
Tel:03-5802-6209
E-mail:info@looop.co.jp
http://looop.co.jp/
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