商社の仕事はソリューション ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションのビジネス哲学

2015.10.01

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 市場が成熟してコスト要求が強まれば、流通の中抜きが始まるのは世の常だ。PV商社はどう存在意義を示していくべきか。躍進するヨーロッパ・ソーラー・イノベーション(=ESI、土肥宏吉社長)のビジネス哲学から探る。

 創業3期目にして年商40億円を突破したESI。独ソーラーワールドの総代理店としてモジュールの輸入販売を手掛ける傍ら、PCS(パワーコンディショナ)の売れ行きも好調で、9月からはO&Mを始める。その行動力と成長ぶりは、円安の影響で勢いのない同業他社とは一線を画する存在だ。そんなESIも、主力事業のモジュール売りは、年間50MW規模から伸び率が鈍化してきた。円安の逆風下、FITの優遇期間が終了し、値下げ圧力を受ける。土肥社長はどう見ているのか。
 「円安による仕入れ原価の上昇は、すべて吸収しきれないので、一部は売値に転嫁せざるを得ませんが、FIT価格が下がるので、当然売りにくくなりますし、利益率も低下します。しかしこれは想定外のことでありません。だからこそ、割安感に依拠した販売を避けてきたのです」。
 事実ソーラーワールドのモジュールは決して安くない。30年の長期耐久性を誇る高付加価値品で、価格は国内メーカーと同水準だ。しかも日本ではブランド力も知名度も低かった。
 それでもESIは、長期耐久性のニーズを掘り起し、その価値を共感し合える施工販売店とともに顧客層を獲得している。価格だけではなびかない販売基盤を確立することによって事業リスクをヘッジしてきたのだ。その土肥社長は商社の役割をこう説く。
 「よい商品をつくっても売れなかったり、求める商品を適切な価格で購入できなかったり、皆様の悩みに目を向け、流通の機能を生かしてお役に立つ。それが商社の役割でしょう。商品の卸売りは表層的な部分。本質はソリューションだと私は思います」。
 同社はPCSの販売も伸ばしている。独SMAや田淵電機、山洋電気の製品を仕入れ、当初はモジュールの販売ルートで卸していたが、徐々に新たな商流を開拓しつつある。今期のPCS出荷量は、前期比倍増の100MWを超える見通しだが、ここでも〝ソリューション力〞を遺憾なく発揮しているようだ。
 「当社はPCSの技術サポートにも力を入れています。単に製品を売るだけではなく、販売店さんにはもちろん、エンドユーザーの皆様にも、設置のお手伝いやアフターサービスを提供しています」。
 いま、ESIの協力会社は全国100社を数える。ESIは今夏に遠隔監視システムメーカーの独パワードゥー社と独占契約を交わし、今年9月からは独O&M大手グリーンテック社とO&Mサービスを開始するが、このO&M事業も全国の協力会社と実施していく構えである。
 仕入先、卸先問わず、関わる企業はすべて同士。共存共栄の精神で、ともに成長していく。ESIのビジネス哲学だが、これを「アジアへ広げる」(土肥社長)のが新たな構想だ。すでに東南アジア、インド、中国、アフリカの企業と協力関係を築き始めている。
 欧州の技術を日本へ、そして欧州と日本の技術をアジアへ。商社の役割は重要だ。

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社
本社移転(8月24日から)
〒100-6590 東京都千代田区丸の内1-5-1新丸の内ビル12階
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http://www.e-solar.co.jp

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