茂山組、アルミ架台売れ行き好調 完全オーダーメイドの対応力で受注拡大

2015.10.01

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 太陽光用アルミ架台の製販で存在感を高めている茂山組(岡山県備前市、川田雄士社長)。低圧案件からメガソーラーまで受注を伸ばし、2015年6月期の出荷量は前期比20%増の120MWと売れ行きは好調だ。なぜ同社の架台が売れるのか。

 茂山組の架台は、まず製品群が多い。通常の地上設置用架台から積雪地用や追尾式、農地用、駐車場用に加え、屋根上用では、波型スレート用や板金屋根用金具、重ね式折板用ブリッジ金具まである。そしてすべての製品で素材にアルミを使用しているのが特徴だ。その理由を、川田社長はこう説明する。
 「種類の異なる金属同士が接触すると、イオン化傾向の卑な金属の方が腐食する。銅葺屋根に銅製の釘を使うのは、鉄製の釘が腐食してしまうからです。太陽光パネルのフレームはアルミ。だから架台もアルミの方がよいのです」。
 確かに、アルミは錆びにくく腐食に強いが、主流のスチール架台と比べると、コストは高い。それだけに、同社はアルミの軽さに着目し、施工性が向上する製品を追求してきた。
 独自の設計で強度を維持しつつ、あらかじめ組み立てた状態で出荷できるようにしたため、経験のない作業員でも現場で簡単に組み立てられる。現場のニーズを汲み取り、施工性を高めることによって、短工期による人件費の削減を図ったわけだ。
 川田社長は「スチール架台と比べ、トータルのコストパフォーマンスでは充分優性があります」と自信を見せる。

痒いところに手が届く

 強みは他にもある。同社は岡山県内にアルミの加工場を所有し、受注生産方式で架台を製造している。施工性や品質にも定評はあるが、顧客の細かい要求を製品に反映できる柔軟な対応力がリピート率を上げている。
 川田社長は、「たとえば、北向きの波板スレート屋根に、南向きにパネルを設置したいというお客様の要望があった場合、恐らく他のメーカーは請けたがらないでしょう。しかし当社は小ロットの注文であっても、よろこんでお請けします」と語る。
 顧客層は広い。10kW未満の発電所オーナーからの1件あたり4〜5万円の注文から、メガソーラー向けの数千万円のオーダーまで多岐にわたる。受注生産では納期が長くかかるようにも思えるが、「1MW分の架台であれば45日」(川田社長)と、納期対応も万全だ。
 茂山組が太陽光発電に参入したのは02年。1959年の創業後、公共工事を手掛けてきたが、仕事量が減少したため、太陽光発電設備の建設を始めた。電気・土木・建築でそれぞれ特定建設業を取得しており、当初から太陽光発電の設置工事は設計から建設まですべて請け負った。その過程で架台の内製化を始め、徐々に外販していったのである。
 そして11年、満を持してアルミ架台の販売を本格化すると、FITによる市場の拡大と相俟って販売は上々。14年6月期に出荷量は100MWに達し、前期は120MWまで伸ばしている。

株式会社茂山組
[岡山本店]岡山市南区新保882-1
Tel:086-243-4545
[東京オフィス]東京都品川区西五反田2-29-9五反田アルファビル9階
Tel:03-6420-0304
http://www.shigeyamagumi.co.jp

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