藤崎電機、「再エネのトータルソリューションを提供」 3年でPV500MW開発
2015.08.01
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太陽光発電のEPCで実績を伸ばす藤崎電機。子会社ガイアパワーによる発電事業も着実に進展しており、風力発電所やバイオマス発電所の開発にも手を広げている。同社のビジョンとは。
5月下旬。鹿児島で太陽光発電の一大プロジェクトが立ち上がった。出力は92MWで総投資額は350億円。藤崎電機100%子会社のガイアパワーは、京セラ、九電工、東京センチュリーリースとの共同事業で、2017年度内の稼働を目指すという。
藤崎電機にとって、これは通過点に過ぎない。「プレミア案件は当然、27円以降も積極的に開発していく。今後3年間で500MW分の太陽光発電所を建設する」(ガイアパワーの陶久晴岳執行役員本部長)。
しかし買取り価格が下がるなか、建設費の低減が課題だ。どう取り組んでいくのか。陶久氏はこう述べた。
「全体の10%を占める造成費をいかに抑えるかがポイント。平地以外に傾斜地や水上への設置がカギを握る。傾斜地に関しては、国内外のパートナー企業との連携を進めており、既に多数の山林開発の相談をいただいている」。
水上設置に関しては、現在兵庫県で1.8MWの発電所を建設中だ。この領域では、耐候性に優れる同社製の接続箱が使用されており、接続箱の製販事業も同時に強化していく構えである。
「当社の接続箱は、筐体がポリカーボネイト樹脂製で、IP66と防水・防塵性能が高い。京セラ様の水上設置プロジェクトにも採用されており、接続箱の水上設置でのシェアはナンバー1」(藤崎電機エンジニアリングカンパニーCOO近藤雅也執行役員)。
同製品は、全てカスタムオーダーで、「回路数や配線方法の指定にもきめ細かく対応する。取付金具も設置条件にあわせて提供できる」と、水上に限らず、様々な場所、ニーズに対応可能。様々なストリング計測器を内蔵できるのも特徴だ。接続箱の累計出荷数は4000台にのぼり、今後2年間で3万台の販売を目指している。
風力、バイオマスも開発進展
同社は、太陽光以外の再エネ発電所の開発にも力を入れており、愛媛県では25MWの陸上風力発電プロジェクトを進めている。ガイアパワーの陶久執行役員は、「この愛媛での案件以外に、新たに100ヵ所ほどの候補地についての各種調査を終えており、その中からより良い案件を10ヵ所ほどに絞って集中的に計画を進めている。これらの陸上風力発電所は7.5MW〜50MWの規模であるのに対し、200MW規模の洋上風力発電所も計画している」と語る。
バイオマスについては、竹を主燃料とする世界初のシステムをドイツのランビオン社と共同開発し、第1号は山口県で2016年内の完成を目指している。近年バイオマスは全国各地で計画が進められているが、バイオマス燃料の確保が大きな課題となっており、早期育成可能な竹をバイオマス燃料とすることで安定した原料を確保する。全国で問題とされている放置竹林についても解決ができ、地方創生にも寄与するものだ。
「再エネのトータルソリューションを提供するエンジニアリングカンパニーへ」。藤崎社長が半年前に語ったビジョンが着々と具現化しつつある。同社の今後の活動から目が離せなくなってきた。
藤崎電機株式会社
徳島県阿南市辰己町1番地38
TEL:0884-21-0555
FAX:0884-21-0505
http://www.fujisakikk.co.jp/
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