海外展開、電力小売り、バイオ続々 新事業を仕掛けるアンフィニの挑戦と協調

2016.04.01

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 太陽光パネルの製販で世界へ展開し、国内では電力小売りとバイオ事業を始めたアンフィニ(親川智行社長)。目指すは再エネの普及拡大であるが、ベンチャー企業が手を繋げば、さらなる大事を成せるはず。アンフィニが新たな考えを示した。

 アンフィニは昨年9月、フィリピンと米国に現地法人を設立し、両国に太陽光パネルを輸出している。フィリピンは停電が多く、電力料金が高い。停電に備え、蓄電池を購入する企業も多いのだ。米国では、米政府によるアンチダンピング制裁で中国勢が弱体化しており、同社は〝メイド・イン・ジャパン〞を強みに販売を伸ばしている。
 出荷量は、米国もフィリピンも30MWを超えた程度だが、親川智行社長は、「2年以内に100MWまで増やします」と意気込み、「1国100MW製販を世界に広げていきます」と構想を語る。
 同社の製品は、塩害地や降雪地で使用できる高耐久性モジュール。ターゲットは1MW以下の発電所だ。ゆえに各需要地でのパネルの販売量を年間100MWと試算し、各地で100MW生産する〝地産地消〞戦略を描いているのだ。
 これまで海外の工場に専用ラインを設けて生産するファブレス方式を採ってきたが、昨夏、栃木県大田原市の自社工場で年産100MWラインを稼動させた。アンフィニは世界展開を着々と進めている。

バイオ事業で山を再生

 一方で、同社は家庭向け電力小売りを始める。新電力会社『ジャパン電力』を立ち上げ、都市ガス会社や通信大手、ネット通販大手らと提携。電力にガスやネット回線も合わせた複合サービスを提供していく。
 当面の顧客層は、同社の住宅用太陽光システムを導入した1万世帯の太陽光ユーザーだ。太陽光システムのメンテナンスと絡めて提案していく考えである。
 それだけに、早くから自社電源の開発に動いた。太陽光発電所は、現在14基のメガソーラーを稼働させ、発電規模は48MW。さらに20ヵ所計50MWが今期にも稼働する予定だ。また、安定電源として、木質チップや家畜糞尿を燃やして発電するバイオマス・バイオガス発電に着目、現在5件のプロジェクトを抱える。
 そして、アンフィニが目下力を入れているのはバイオ事業だ。50kW未満の小型木質バイオマス発電機を欧州から調達し、日本仕様にカスタマイズして今年3月から売り出す。納入先は主に山の所有者だ。親川社長は目的をこう語った。
 「山は本来、間伐するべきですが、日本の山は間伐材を運ぶ道すら舗装されておらず荒れ放題。そこで間伐材だけで発電する規模の小型バイオマス発電機を提供し、山を再生しようというわけです。ターゲットは1000ヵ所ほど。この事業には日本の山を再生するという大義があるのです」。
 アンフィニの事業には理念があるが、その理念はアンフィニだけのもではない。ならば、理念を共有できる他の企業と協力できるのではないか。親川社長はある考えを示した。
 「この3年間で力のある日本の太陽光企業が誕生しましたが、今後は市場環境が厳しくなります。そこで、同じ境遇を抱えたベンチャー企業同士が、手を取り合って、世界に展開したり、他の再エネ分野に手を広げたり、英知を結集し、助け合いながら、ともに成長していけないかと思うのです」。
 この〝ジャパン再エネコンソーシアム〞。実現すれば、大きなイノベーションが起こるかもしれない。

アンフィニ株式会社
0120-33-0303
[大阪本社]大阪府大阪市浪速区湊町1-4-38
TEL:06-6646-3330
FAX:06-6646-3310
[東京本社]東京都中央区晴海1-8-10
TEL:03-3534-8880
FAX:03-3534-8840
http://infinigroup.co.jp

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