〝分散の雄〟デルタ電子PCS出荷倍増! 80kW機、蓄電池など新製品続々

2017.04.01

PVeyePR

 台湾の電源メーカー、デルタ電子の存在感が高まっている。2016年の日本向け出荷量は前年比倍増の400MWを超え、今年は600MWを目指すという。〝分散の雄〟デルタ電子の今後の展開とは。

 太陽光発電業界で巻き起こるPCS(パワーコンディショナ)の分散設置ブーム。その火付け役は、デルタ電子だろう。昨年1月に兵庫県赤穂市で4MWの〝分散メガソーラー〞を稼働。1年が経過し、「日射量が多かったことを除いても、想定より5%以上の発電量が得られました」(デルタ電子大阪営業所の宮崎偉生所長)と、分散設置の優位性を自ら立証した。
 発電量が増えた要因として、宮崎所長は、「MPPT(最大電力点追従)機能の効果がより大きく表れたことでしょう」と分析する。
 MPPTとは、常に最大出力になるような電流と電圧の組み合わせをPCSが自動で探す一種の制御機能である。直列につながれた太陽光パネルのうち、1枚でも影がかかって出力が落ちると、他のパネルにも悪影響を及ぼすため、MPPTで被害を最小限に食い止めるわけだ。それでも、パネルの直列数が多いほど他のパネルへの影響は大きい。ゆえに、直列数を減らせる分散設置は有効なのだ。
 宮崎所長は、「東向きの傾斜や西向きの傾斜など、それぞれの場所に応じてMPPTで制御すれば、より効率良く発電量を確保できます」と利点を述べる。
 分散設置用の中型PCSの中でも、デルタ電子のPCSは、筐体がアルミで軽く、出力50kW機でも外形は740×612×278㎜で、質量は74㎏しかない。大人2人で運ぶことができ、施工性に優れている。
 宮崎所長は、「パネルを過積載しても、本来の特性が出せます。我々が発表しているスペックはあくまでも最低限の数字。設計マージンがあるため、積載率が150%でも200%でも性能が落ちないのです」と語る。
 分散と過積載。デルタ製PCSは市場の両ニーズに応えた製品といえる。

製品ラインナップ拡充

 現在、同社が扱うPCSは、単相4kW、4.5kW、5.5kW、5.9kW、9.9kWと、三相16.5kW、20kW、50kWの計8機種。住宅用太陽光発電から特高メガソーラーまで、すべてカバーしている。住宅用をメインに事業を展開してきたが、14年からは産業用向けに分散設置の提案を始め、製品ラインナップを拡充していった。
 最近はメガソーラー向けに50kW機の需要が高まっているようで、「分散ながら設置台数を減らしてコスト低減する」ために、年内に新しく80kW機を発売する予定だ。宮崎所長は、「海外では既に出荷を開始しています。日本でも18年以降の特高案件向けに提案していきます」と意気込む。
 また、デルタ電子はポストFIT、アフターFITの自家消費時代を見据えて、蓄電システムの開発に力を入れている。産業用向けには自社のメガソーラーに蓄電容量約360kWhの自社製蓄電システムを設置済みで、間もなく系統安定化に向けた実証試験を開始する。
 他にも「工場のピークカットや企業のBCP(事業継続計画)向けの製品も準備しています」(宮崎所長)。
 住宅向けには、今年中にも蓄電容量6kWh、出力5.9kWのハイブリッドPCSを組み合わせた蓄電システムを発売する計画だ。
 日本市場で分散の風を吹かせたデルタ電子。蓄電システムまでラインナップに加え、住宅用からメガソーラーまで様々な需要に対応できる体制を整えつつある。同社のPCSを一度検討してみてはいかがだろうか。

デルタ電子株式会社
東京都港区芝大門2-1-14
TEL:03-5733-1111
http://www.delta-japan.jp

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