アンフィニ福島新工場の厳格な品質管理
2017.12.01
PVeye
太陽光パネルを製造するアンフィニ(親川智行社長)の福島新工場が本格量産に入った。とくに品質管理が厳格で、パネルの全数検査の依頼が舞い込むほど。責任者の小寺直人常務に話を聞いた。
7月に稼動したアンフィニの福島工場。配備された最新の全自動式生産ラインは試験運転を終え、10月から受注分の生産に時間あたり100枚ペースにて取り掛かることになった。
小寺常務は、「生産設備をフル稼働させるには、いわゆる慣らし運転のような時間が必要です。色々と問題もあったが、10月に入ってようやく量産体制が整いました」と胸を撫で下ろす。
生産品は、出力315Wの単結晶型と出力295Wの多結晶型の『SOLARNINJA』をはじめ、高効率・高出力パネルが中心となる。それらの発電性能も魅力のひとつだが、やはり最大の特長は品質だろう。
というのも、福島工場の品質管理体制は他の工場とは一線を画する。たとえば検査へのこだわりだ。同社は、基準が最も厳しいとされるドイツ製の検査機器を導入、各工程間で厳しく互いを牽制し合える仕組みも構築している。「お客様へ満足していただけるメイド・イン・ジャパンの製品を届けたい」(小寺常務)という共通の想いがあるからだ。
小寺常務は、「工場を建設し、地元の方を60名以上採用したのですが、県民性なのでしょうか、素直で実直な方ばかりです。皆が製品も工場も良くしていこうと常に考えています。これが製造面で大変プラスに働いており、これがあるからこそ我々は自信を持って品質にこだわりがあるといい切れるのです」と説明する。
その結果、「製造工程内での不良率は1%未満となっている」(小寺常務)。そんな同社の厳格な品質管理体制は徐々に認知されており、ある事業者から同社に納品前パネルの全数検査の依頼があったという。市場には不具合リスクの高いパネルも存在するため、アンフィニの品質基準で検査することによって、良し悪しを見極めてほしいというわけだ。
小寺常務は、「工場は製品を生産するところですが、当社の品質管理が役立つのであればサービスを本格化させようと考えています。生産ラインとは別に検査装置を入れるなど、設備を充実する予定です」という。このサービスを既設の太陽光発電所まで拡げれば、セカンダリー市場の創出とともに需要は増えるだろう。
来春にも寒冷地品発売
ただ、日本の太陽光発電市場は縮小しつつある。アンフィニにはどのような販売戦略を描いているのか。
小寺常務はまず商品開発ついてこう方向性を語った。
「細かいニーズを汲み取った特殊パネルをつくれる機動力ある工場を建てようというのが、工場建設の目的のひとつです。詳しくはいえませんが、2018年春以降に寒冷地仕様のパネルを発売する予定です」。
さらに販売展開について、小寺常務は、「世界の電力インフラが整っていない無電化地域で、スマートコミュニティ構想を実現させていきたいという3年越しの計画も進めています」と語る。
〝福島から世界へ〞。福島産パネルが世界で活躍する日は、そう遠くないのかもしれない。
アンフィニ株式会社
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