アンフィニ、福島工場でパネルと蓄電池併産へ
2018.03.01
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太陽光パネルメーカーのアンフィニ(親川智行社長)は、昨夏稼働した福島工場で、蓄電池の組み立てを始めるという。同社の狙いとは。
2017年7月に稼動したアンフィニの福島工場では、最新の全自動式生産ラインが順調に稼働しているようで、責任者の小寺直人常務も、「10月から本格生産に入り、生産量は3月末で50MW程度になるでしょう。現在は受注分の通常タイプを生産し、主にヨーロッパ諸国に輸出しています」と表情が明るい。
そして2月半ばから満を持して高効率・高出力パネル、『SOLAR NINJA』の製造ラインの試運転を開始。来期は、通常タイプが60MW、SOLAR NINJAが40MWと、計100MW規模の生産を計画している。
生産量は決して多くはないものの、福島工場の品質管理には目を見張るものがある。基準が厳しいドイツ製の検査機器を完備させ、各製造工程間で厳しく互いを牽制し合う体制を構築。その結果、生産の歩留まりが向上し、「製造工程内での不良率は0.5%未満」(小寺常務)というのである。
これについて、小寺常務は、「工場で働く方の多くが地元の出身者です。復興への強い想いを持つスタッフが製品も工場も良くしていこうと行動してくれるからこそ、高度な品質管理が実現しているのです」と自信をのぞかせる。
そして、同社はいま、福島工場で太陽光パネルのみならず、住宅用蓄電システムの組み立てを始める準備を進めている。
FITの売電期間を終える住宅用太陽光発電設備の所有者が50万も現れる2019年問題。需要が拡大すると踏んで、同社は蓄電システムを販売する計画だ。蓄電モジュールやインバータ、コントローラを調達し、福島工場で製品化する計画だ。
小寺常務は、「蓄電池は検査工場がないとメーカーとして認められないので、検査体制を工場内に設けます。年内には、相場より割安な価格帯で蓄電池を販売していきたいと考えています」と意気込む。
積雪対応パネル、商品化へ着々
その一方で、同社は意義深い太陽光パネルの新製品開発を着々と進めている。
というのも、1月中旬から想定外の豪雪が続き、屋根上のパネルに積もった雪の落下による被害が発生している。パネルの表面はガラスゆえ、滑りやすく、光が当たれば熱を持ち、雪を溶かす。これは雪下ろしの手間が省けるという利点でもあるが、短期間で降り積もった大雪が勢いよく滑り落ち、フェンスや隣接する屋根の損壊事故を誘発させる。このままでは人身事故を引き起こす可能性もある。
こうした雪国の課題をアンフィニの新製品は解決するものになるかもしれない。小寺常務は「開発中の新製品は、そもそも上に雪が積もらないパネルです」とし、「研究機関の支援を受け、間もなく認証をいただく段階です。雪国の方々の苦労を取り除くものになれば幸いです」と思いを語る。
新製品を生み出し続ける福島工場。福島製品の活躍の場はさらに広がりそうだ。
アンフィニ株式会社
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