住友電工、1500V対応PLC式計測装置を開発
2018.03.31
PVeye
電線大手の住友電気工業(大阪市中央区、井上治社長)は3月22日、システム電圧1500V対応のPLC(電力線通信)式発電量計測装置を開発したと発表した。同日から受注を始め、7月に出荷開始予定である。
同製品は、発電量を計測する子機と、子機からデータを吸い上げる親機からなる。特徴は、両機の通信をPLC式で行う点だ。PLCとは、既存の電力線に情報信号を重ね、受信側で情報信号のみを取り出す技術を指す。太陽光発電所の発電量計測装置に用いる場合、通信線の敷設工事や現地調査が不要だ。
ただしその反面、例えば既存の電力線にノイズが干渉した場合、通信が乱れる可能性もある。ノイズ干渉を避ける技術は容易に開発できるものではなく、PLC式監視装置を製造している企業は多くない。
1998年からPLC技術の開発に取り組んできた同社は、2012年より10電力会社のスマートメーター用のPLCモジュールを独占供給するなど、品質に自信を持つようだ。これまで1000V対応品しか揃えていなかったが、昨今太陽光発電所の建設費を下げるために1500Vで発電所を設計するEPC(設計・調達・建設)が増え、1500V対応品を望む声が多数挙がっていたようだ。システム電圧1500Vで設計すれば、1000V設計と比較し、1ストリングに構成するパネルの枚数が増え、その結果接続箱の台数、ケーブルの総長が減り、建設費の低減が期待できる。
あるEPCの社長によれば、「2.5MWの太陽光発電所を建設する際、システム電圧1000Vで設計した場合、電気工事費は約4500万円になる。これを1500Vの設計に変えるだけで、1000万円程度の費用低減が見込める」という。
住友電工は、新製品をIEC (国際電気標準会議)規格へ適合させ、IEC加盟国における販売も検討しているという。
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