NTTドコモは、東日本大震災後、災害に強く、環境に優しい携帯電話基地局の導入を目的に、「グリーン基地局」を開発し、昨年よりドコモR&Dセンター内で試験稼働してきたが、2013年4月より、現在運用中の携帯電話基地局3局（東京都、神奈川県、山梨県）において、グリーン基地局設備を増設し、グリーン基地局のフィールド試験を開始する。今後、同様の取り組みを、2013年度上期までに、合計10局（関東甲信越地域）まで拡大する予定だ。

　グリーン基地局とは、ソーラーパネルの太陽光発電によって、自立的に日中の電源を確保する携帯電話基地局。災害時、携帯電話基地局への商用電源の供給が滞った場合でも、ソーラーパネルの太陽光発電単独で、携帯電話基地局を運用し、日中の携帯電話の通信を確保することが期待されている。

　またグリーン基地局には、大容量サイクル型蓄電池（ニッケル水素電池およびリチウムイオン電池）を備えており、夜間など太陽光発電で電力が賄えない場合には、携帯電話基地局を長時間バックアップできるという。


グリーン基地局の特長
（1）災害時に停電した場合にも、日中は、ソーラーパネルの太陽光発電単独で携帯電話基地局が運用可能となる。
（2）既存の携帯電話基地局に、グリーン基地局設備（ソーラーパネル、大容量サイクル型蓄電池、グリーン電力コントローラー等）を追加することで、グリーン基地局化することも可能。
（3）グリーン基地局に搭載した「グリーン電力コントローラー」により、基地局が運用時に利用する電源（商用電源、太陽光発電、大容量サイクル型蓄電池）の組み合わせを、遠隔操作でマネジメントすることができる。


【例】グリーン基地局を遠隔操作で「ピークシフトモード」に設定
晴天時、日中は、ソーラーパネルの太陽光発電により、携帯電話基地局を運用し、通信を確保。
日中、基地局の運用に必要な発電量を超過した場合は、超過分を蓄電池に蓄え、夜間等に活用する。


　NTTドコモでは、将来のグリーン基地局構想として、燃料電池の導入や、風力発電の導入についても検討を進めていく予定だ。