未来機械（香川県高松市、三宅徹社長）は3月26日、香川大学工学部知能機械システム工学科の石原秀則准教授と協力し、太陽光パネルを自動走行しながら水を使用せずに清掃できるソーラーパネル清掃ロボットを開発したと発表した。
　このロボットは、太陽光パネルの表面に付着した砂塵などを清掃することで、発電能力を回復させることができるもの。作業者がパネルの上にロボットを置き、スイッチを押すと、自動的に走行し、清掃を行う。ロボットには特殊な回転ブラシを内蔵しており、水を使用せずに砂塵を除去する。内蔵バッテリーの連続駆動時間は、最大2時間。清掃終了後はその場で停止する。
　雨量が少ない乾燥地域やパネルの設置角度が低く、雨で汚れが落ちにくい太陽光発電所では、発電能力を維持するために清掃作業が必要。しかし、乾燥地域では、水資源が乏しいうえ、設置角度も水平に近いため、水などで洗浄した場合、表面に水がたまる恐れがある。また、パネル枚数が数万枚に及ぶケースもある大規模太陽光発電所では、コストや作業性の観点から、手作業での清掃にかわる合理的な清掃手段が求められていた。そこで同社は2009年からロボットの移動技術及び清掃方法の研究開発に着手、2012年度に試作機を開発、中東地域などにおいて、実証試験を実施した。その実証試験の結果、手作業での清掃と同等以上の発電能力の回復効果を確認できたという。
　なお、この研究開発の一部では、中小企業庁からの委託で全国中小企業団体中央会が実施した「平成23年度グローバル技術連携・創業支援事業」の補助を受けた。また、公益財団法人かがわ産業支援財団からも実験への協力・事業化支援を受けている。
　今後は、ロボットの商用化を実現し、太陽光発電関連ビジネスや中東・北アフリカ地域での事業展開を目指すパートナーと提携していく方針だ。