米ファーストソーラー、太陽電池技術ベンチャーのテトラサン買収 JXと日本市場への販売協議
2013.04.10
PVeye
太陽電池世界大手の米・ファーストソーラー(アリゾナ州テンピ、ジム・ヒューズCEO)は9日、JX日鉱日石エネルギー(東京都千代田区、一色誠一社長)のグループ会社で太陽電池技術ベンチャーの米・テトラサン社(カリフォルニア州サンノゼ、デニス・デクスターCEO)を買収すると発表した。ファーストソーラーは、JXやテトラサン社の出資者と正式契約を締結した。買収額など詳細は非公開。2013 年の第2四半期までに買収を完了する見込みだ。
テトラサン社は、安価な製造コストで、変換効率21%超の高効率単結晶シリコン太陽電池セルを開発している。中核技術は製販の独占権を持つセル構造だ。N型単結晶シリコン基板を使用して高効率化を実現。シンプルな設計で量産性に優れ、高価な銀や透明導電膜(TCO)を使用せずにコストパフォーマンスを高めている。
なお、ファーストソーラーは、14年後半から商業生産を開始する計画だ。
ファーストソーラーのヒューズCEOは、「この技術で太陽電池市場の半分を占める高効率支持層が開放される。これまで当社はこの層のニーズに応えることができなかったが、(今回の買収によって)あらゆる商用利用に対応できる。独自のエンドツーエンドソリューションを提供し、顧客のニーズに応えていく」と語る。
テトラサン社のデクスターCEO は、「我々はファーストソーラーのチームに参加できることを誇りに思う。我々はファーストソーラーと共にあることで、健全な財務基盤に支えられ、既存の設計や生産設備に制約されない自由なアプローチを継続していく」としている。
JXは、09年に同社へ出資、筆頭株主として研究開発活動を支援していたが、テトラサンが有する技術による太陽電池セル生産プロセスの確立に一定の目途がついたため、テトラサンの株主とともに全株式をファーストソーラーに売却することにした。
現在、ファーストソーラーとJXはテトラサンが製造する高効率太陽電池セルの日本市場での販売に関する契約も協議を進めている。JXは日本市場における独占販売権の取得を目指し、協議を進めていく構えだ。
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