日新電機（京都市右京区、小畑英明社長）は4月18日、メガソーラーなどの大規模自然エネルギー発電所と電力会社の送電線を結ぶ連系部分の開閉所設備として、計器用変成器を利用した開閉所システムを開発、5月7日より販売を開始すると発表した。
　太陽光発電などの大規模自然エネルギー発電所は、電力会社の送電線と離れた場所に建設されることも多く、発電したエネルギーを電力会社の送電網に接続するためには、発電所から送電線を配線し、電力会社との接続点に開閉所を設置する必要がある。しかし、これらのコストは発電事業者の負担となり、事業採算を圧迫する要因の一つとなっている。
　その開閉所に設置する受変電設備には、設備そのものを動かすための制御電源が必要。従来のシステムでは、制御電源を供給するために、66／77kVから200Vまで降圧する変圧器が導入されていたが、同社では、その変圧器を計器用変成器の一種であるコンデンサ形計器用変圧器（CVT）に変更、コストダウンを実現した新タイプの開閉所システムを開発した。なお同社は、日本で唯一のCVTメーカーで、電力会社向けCVTでは100％の納入シェアを有する。
　新発売するシステムは、変圧器の機能を計器用変成器で代替したことで、従来の開閉所システム（ガス絶縁開閉装置（GIS）等受変電機器）の設備コストを20％削減できる。開閉所システム全体での重量も約20ｔから10ｔに半減したため、輸送費や開閉所システムの基礎工事費用もコストダウンできるという。さらに、変圧器のデメリットであった無負荷時の損失がなくなるため、開閉所の電力損失を50％以上低減することも可能としている。