日立アドバンストデジタル（横浜市戸塚区、藤井禎三社長）は6月3日、太陽光発電パネル単位で故障を検知する『太陽光発電パネル監視システム』の販売を開始すると発表した。
　今回、同社が発売する『太陽光発電パネル監視システム』は、太陽光発電システムで使用されている個々のパネルの発電情報を収集することで故障を検知し、正確かつ遠隔で故障パネルを特定できるもの。同社によると、ストリング単位の監視システムでは、ストリング全体の発電量に比べてパネル1枚の故障時の発電量低下が軽微であるため、パネル故障検知が困難だという。そこで同社の製品では、遠隔監視により不良パネルを特定できるため、現地での不良パネル特定作業が不要になる。
　また、独立行政法人産業技術総合研究所が開発した電力線通信技術を応用し、電力伝送ケーブルを利用してデータ通信をおこなう監視システムを日本で初めて実用化。これにより、専用の通信ケーブルが不要となり、ケーブル敷設工事費用を削減する。この技術はCDMAを応用したノイズに強い通信方式で、発電サイトなどの環境に適しているという。
　故障診断ソフトウェアにより、パネル単位に注意表示および警告表示を実施、パネル交換などのメンテナンス作業を計画的・効率的に運用することも可能だ。独自開発した故障診断アルゴリズムにより、日陰など環境的な要因を除外する処理を行うため、誤検出無く診断できるとしている。
　なお、価格はオープン価格、標準的な納期は受注後４ヵ月としている。2013年度の販売目標は30MW。オプションで顧客に代わり、パネル故障を監視するサービスも提供する。