島津製作所（中本晃社長）は6月20日、結晶シリコン型太陽電池セル生産における電極印刷プロセス向けに電極検査装置「SCI-8P」を発売すると発表した。同装置は、業界最高レベルの高分解能の撮影システムによる微細電極の検査を可能とし、電極検査とウエハ外観検査を1台で同時かつ業界最速レベルの測定時間で実施できるとしている。
　同装置の特長は、まず高変換効率化に伴う微細な電極にも対応していること。高変換効率化のための電極の微細化に対応すべく、業界最高レベルの高分解能カメラ（35μm／pixel）と独自画像処理技術を組み合わせた。太陽電池の変換効率の低下につながる電極の太り・細りや断線などの欠陥、印刷位置のズレなどを早期発見し、ライン停止による長期の生産中断の防止や歩留まりの向上に効果を発揮するという。
　また、電極検査と外観検査を同時に高速で検査する。電極の太り・細りや断線などを検査する「電極検査」、ウエハ外形部の割れや突起、反射防止膜のパーティクル、膜厚および分布測定などのウエハ外観を検査する「外観検査」を1台で同時かつ業界最速レベルの測定時間1秒／枚以下で実施できるとしている。
　同社は、太陽電池セル検査装置として、1台でマイクロクラックとウエハ外観を同時に検査できる複合検査装置「SCI-8SM」、業界最小サイズの外観検査装置「SCI-8S」の2機種を今年3月に発売。今回、それらSCIシリーズのラインナップに電極検査装置「SCI-8P」を追加することで、歩留まりや発電効率の向上に貢献し、信頼性の高い太陽電池セルの生産をさらに支援していく。なお、同シリーズの装置は、新設ラインだけでなく、既設ラインの限られたスペースにも追加設置が可能である。
　価格は定価1万円（税別）。初年度販売目標は20台。