ソプレイソーラー トワダソーラーと合資提携へ
2013.07.01
PVeye
34%出資、モジュール年産60MWに
太陽電池の製造から発電所の設計、調達、建設まで手掛けるソプレイソーラー(愛知県名古屋市、加藤有二社長)は中国国営商社、浙江国貿新能源投資股分とともに、トワダソーラー(秋田県鹿角市、湯瀬昇社長)と合資提携を結んだ。
ソプレイグループとトワダソーラーは2012年2月より業務提携を締結し、セル供給やモジュール販売などで連携を深めてきた。その両社が今回、合資提携に踏み込むことで、日本におけるソプレイグループの製品ブランドの統一によって、さらなる営業体制の拡充を図るとともに、トワダソーラーが持つ生産拠点の価値向上を目指すというもの。
出資比率はソプレイソーラー34%、また親会社である中国・ソプレイエナジーと関係深い浙江国貿新能源が33%を、残る33%は十和田オーディオが出資し、合計1・5億円の増資を図る。なお資本金は3億円と倍増する見込みだ。
さらにソプレイソーラーでは増資とともに、トワダソーラーのモジュール生産の増強も図る。現状、10MWの生産能力を約1億2000万円投じ、年内にも60MWまで増産させる狙いもある。
加藤有二社長は、「日本に生産拠点を持つ意味は大きい。日本における生産や品質保証、さらにアフターサービス体制の構築によって、中国メーカーという枠を超え、グローバル企業としての一歩が踏みだせる」と出資理由を語る。
一方、十和田グループが太陽電池への参入を機に、2010年5月、モジュールメーカーとして設立されたトワダソーラーは、地元東北を中心に、雪国仕様モジュールなど独自製品を開発し、自治体向け、住宅マーケットで展開してきたが、ソプレイソーラーとの提携を軸にさらなる成長を取り込みたい考えだ。
一方のソプレイサイドにとっても、これまでの提携の枠を超えて、グループ化するメリットは少なくない。
背景にあるのが、EUによる反ダンピング課税と“サンテックショック”である。とくに信用不安が拡がった中国モジュール勢に対し、金融機関は融資限度枠を引き下げ、取引関連企業は前払いを要求し始めた。
13年度、150億円の売上高を見込むソプレイソーラーだが、「資金繰りが苦しくなり、多くのメーカーが倒産するのでは」(加藤社長)という懸念があった。
「トワダソーラーをグループ化することで、安全・安心も提供できる。差別化を明確にすれば、コスト一辺倒の海外勢と一線を画し、付加価値を追及できる」とも述べる。またグループ間での開発も進め、トワダが持つ積雪による発電ロスを軽減する雪国対応モジュールや光触媒を利用したセルフクリーニングパネルのほか、新たな架台も展開していく予定だ。
カバーガラスとフレームの間にある数㎝の段差に“シリコンコーキング”を施した降雪促進モジュールは、フールド試験で発電量の大幅アップを記録。一方、モジュール温度が上昇する夏場は、「1℃の気温上昇が0・5%の効率低下を招く。もし70℃まで上昇すれば、22%もの効率ダウンにつながる」という。そこでトワダソーラーでは熱を逃がす独自架台も開発中だ。
これらグループ間のシナジー効果によって、ソプレイソーラーとトワダグループでは今期、300MWの受注を目指す。
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