大和ハウスグループなどが出資するリチウムイオン蓄電池メーカーのエリーパワー（東京都品川区、吉田博一社長） は7月4日、蓄電システム（パワーイレ、パワーイレ・プラス）の回収・処理システムを確立し、環境省より一般廃棄物及び産業廃棄物の「広域認定」を取得したと発表した。
　使用済み蓄電システムを廃棄処理するためには、産業廃棄物の場合は都道府県知事もしくは政令指定都市の首長から、一般廃棄物の場合は市町村長から、回収業・処分業の認可の取得が必要。その蓄電システムの廃棄処理については、通常の家電製品に比べて、内蔵している大型リチウムイオン電池セルが大容量のエネルギーを持つうえ、有機溶剤を含んでいるため、解体には専門知識が必要であり、電池セル処理が一般の処理施設では難しいという。
　同社は、製造事業者としての強みを活かし、安全と環境に配慮した解体・処理体制を構築。ユーザーから回収し、解体・処理された蓄電システムと電池セルから出た廃部材は、すべて鉄や銅、アルミ、プラスチックなどに再資源化し、埋め立て処理を発生させない。これらシステムを確立したことで同社は、当該廃棄物の製造・加工・販売を行う製造事業者等が広域的に廃棄物処理を行うことで廃棄物の減量やその他適正な処理が確保されることを目的とした特例制度である「広域認定制度」において、一般廃棄物、産業廃棄物の両方の「広域認定」を取得。これにより、沖縄を除く全国で広域的に蓄電システムの回収・処理を行うことが出来るようになった。
　同社は、「今後も、エリーパワーは、世界のエネルギー問題、環境問題を解決するため、エネルギーを貯蔵して活用するシステムを普及させようという理念のもと、大型リチウムイオン電池及び蓄電システムの開発と普及を推進してまいります。また、同時に大型リチウムイオン電池及び蓄電システムの最適なリサイクルの実現にも取り組んでまいります」としている。