SMAのパワコンが売れる理由 世界トップの製品力、供給力を探る

2013.07.06

PVeye PR

 太陽光発電用PCS(パワーコンディショナ)の世界最大手、独SMA・ソーラー・テクノロジーが日本市場で販売シェアを伸ばしている。電力変換効率98%という高い性能に加え、豊富な実発電量、そして屋外のあらゆる場所に設置できる適応性が、圧倒的な商品訴求力を生み出している。しかも年11.5GWという世界最大の生産能力と1000種に及ぶ製品数は他社の追随を許さない。世界トップメーカーの実力を探る。

大型パワコン、品揃え拡充 世界標準1000V仕様品も

 SMA製のPCSが日本市場で認知され始めたのは、日本法人エス・エム・エイ・ジャパン(=SMAジャパン、本社・東京都港区、村上吉見代表取締役)がメガソーラー用のPCS『SUNNY CENTRAL』を発売した2012年9月頃からである。定格出力500kWで直流入力電圧範囲600Vと、日本仕様にカスタマイズされていたため、一部の太陽光発電所に導入された。当初は海外製ということもあって、採用に慎重なユーザーも少なくなかったが、同製品に対する理解が進むにつれ、受注は急増していく。
 『SUNNY CENTRAL』の特長は、第一にPCSの変換性能の高さにある。電力変換効率が最大98%と世界最高水準であるうえ、早朝や夕方など日射量の少ない低照度時での立ち上がりが早く、トータルの実発電量が多い。それがPCSのパフォーマンスを厳しくチェックする発電事業者の間で同製品の評価が上がった所以である。
 第二に、あらゆる場所にそのまま据え付けられる屋外設置型であること。これは他社にないSMA独自の特長だ。国産PCSは、PCS本体をコンテナの内部に設置し、冷却用の空調設備を組み込まなければならないが、同社のPCSはこの必要がない。
 PCSを覆う筐体が塩害にも強い堅牢なつくりであるうえ、筐体内で電気機器内臓の密閉エリアと外気を取り込む吸気エリアとを隔離することで熱を逃がす、SMA独自の放熱技術が、それを可能にしたのである。
 この仕組みはランニングコストの大幅低減に繋がる。他のPCSの場合、冷却用の空調設備を稼動させるために電力がいるが、『SUNNY CENTRAL』はその電力が不要だ。経済的メリットが大きいのはいうまでもない。
 この既存製品にも充分優位性はあるが、SMAジャパンは今年4月、『SUNNY CENTRAL』の新機種の販売を開始した。直流入力電圧範囲1000V、定格出力700kWの大型機であるが、これは従来機の世界標準版で、同社にとっては日本仕様にカスタマイズする以前の標準品でもある。
 注目すべきは、同社が直流入力電圧範囲1000VのPCSを日本で発売したこと。日本では、固有の電力事情によって太陽光発電所の直流電圧は600Vというのが常識。1000V仕様の太陽光発電所はごく一部に過ぎず、まだ普及していない。しかし、太陽光発電所を1000V仕様にすれば、PCSの電力変換効率は向上し、定格出力も上がる。専用ケーブルの価格がさらに下がれば、確実に初期建設費を抑えられる。それだけに、ここに来て徐々にその利点が浸透し始めている。
 SMAジャパンの村上代表取締役は、「現状は1000Vの太陽光発電所が日本で建設されるケースは少ないが、1000Vはグローバルスタンダードです。経済的メリットも非常に大きいので、数年内には増えていくでしょう。当社は今後の市場動向を見据えて発売しました」と語る。

小型パワコン提案強化 新型3相10kW発売へ

 その一方で、SMAジャパンは小型PCS『SUNNY BOY』の販売も伸ばしている。扱っているのは定格出力4.5kWと同3.5kWの2機種だ。自立運転機能を標準搭載し、2012年6月にJET(電気安全環境研究所)の認証を取得。同年7月末には第三者機関で11台連系した並列運転試験も実施済みだ。電力変換効率は最大96.7%と高く、屋外設置型で高耐久性が特長。同社は10年間の製品保証を実施している。
 『SUNNY BOY』は、住宅用太陽光発電向けの出荷が堅調であることに加え、低圧線への接続となる出力50kW未満の小規模産業用マーケットが急速に伸びているため、この分野への販売も大幅に伸ばしている。
 それでも提案力をさらに強化するため、SMAジャパンは3相10kWタイプの新製品、『SUNNY TRIPOWER』の発売を計画、現在JET認証を申請している。これも電力変換効率が96.5%と高く、他の機種と同様に完全屋外設置型である。
 こうした製品力をより活かすために、SMAジャパンは顧客サービスにも力を入れている。日本での販売拠点という機能にとどまらず、マーケットリサーチに基づく新商品の企画立案から製品の交換からメンテナンス、技術サポートまで体制を整えた。そこには、日本市場で長期間事業を継続し、徹底した顧客サービスを実施していくという強い気概が伺える。
 村上代表取締役は、「SMAは、実は10年前から日本市場への参入を計画していました。そこが、FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)の導入を機に日本進出を決めた他の海外メーカーとは異なるところです。ですから今後、仮に日本市場が縮小に転じたとしても、我々は日本のお客様に製品を供給し、長期に亘ってサポートしていきます」と強調した。

エス・エム・エイ・ジャパン株式会社
〒105-0014 東京都港区芝3-23-1 セレスティン芝三井ビル8階
TEL:03-3451-9532 FAX:03-3451-9432
HP:http://www.sma-japan.com/

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