本格普及期に脚光浴びるオムロンの「AICOT®」

2013.07.06

PVeye PR

 住宅用PCS(パワーコンディショナ)国内最大手のオムロン。1994年に小型PCSを商用化して以来、高い技術力で業界をリードしてきた。その同社が独自に開発した多数台連系時の単独運転防止技術、「AICOT(アイコット)」が注目を集めている。なぜ今〝AICOT〟なのか。

 太陽光発電システムは、停電時に安全に停止できず、単独運転状態となる場合があり、モジュールで発電した電気が系統に流れるというリスクがある。こうなると、復旧作業に支障をきたし、人身や設備に影響を与えかねない。そこで停電時の単独運転を防止する機能がPCSに標準搭載されるようになった。
 しかし太陽光発電が普及し、同系統に太陽光発電システムが複数台連系される状況を想
定すると、この単独運転防止機能にも様々な課題が顕在化する。たとえば、太陽光発電システム間の単独運転検出機能が相互干渉を起こし、検出時間が遅れ、安全に停止できない。あるいは、能動方式の単独運転検出機能による系統への悪影響や、単独運転検出機能の誤検出による一斉停止などで大停電を引き起こす恐れがある。
 そこでオムロンは業界で初めて、この問題解決に動いた。02年NEDOの委託事業「集中連系太陽光発電システム実証研究」に参画。11年には多数台連系時の単独運転防止技術、「AICOT」の実用化に漕ぎつけ、AICOT搭載PCSを発売した。以後、同PCSの販売は急速に伸びていくのであるが、なぜ今AICOTが必要なのだろうか。

納期遅れ、7割ルール解消

 通常、複数台連系時には単独運転試験が必要になる。太陽光発電システムの導入時に、同じ柱上トランスの下に別のシステムのPCSが設置されていると、PCSの相互干渉に関する試験データを電力会社に提出しなければならない。データ収集には時間がかかり、太陽光発電システムの設置納期が1、2ヵ月遅れるケースもある。
 AICOTは、単独運転検出時間がわずか0.2秒という高速検出を実現し、相互干渉を
起こさない。11年6月には多数台JET認証のベース技術にもなった。これにより、AICOT搭載PCSを用いれば、電力会社に試験データを提出する必要がなく、納期遅延も解消される。
 一方、従来のPCSは柱上トランスを越えての単独運転検出が難しく、電力会社による「7割ルール」が適用されてしまう。7割ルールとは、相互干渉による単独運転が起こらないように、一定地域内の太陽光発電の設置可能量を昼間の最低消費電力の7割に制限するというもの。このルールが適用されると、太陽光発電の導入に制限がかかる。
 だがAICOTは柱上トランスを越えて地域全体で単独運転を検出できるため、7割ルールの適用を受けない。AICOT搭載PCSを使えば地域全体で台数の制限なく太陽光発電を連系できる。

エネルギー効率の最大化へ

 AICOT搭載PCSは、11年夏の発売以来、住宅用を中心に全国で導入が進み、今では1
5万台を超えた。さらに同社は12年11月、屋内仕様型に加え、屋外仕様型の単相4.4
kWタイプと5.5kWタイプの販売を開始。住宅用にとどまらず、出力50kW未満の低圧連系市場でも存在感を高めている。
 環境事業推進本部エナジーオートメーション部マーケティング課の大橋勝己経営基幹職は、「〝低圧ミドルソーラー市場〞でも、系統連系のしやすさから高い評価をいただいています」と状況を述べ、「PCSは太陽光発電システムとの相性も含めた効率が大切。朝夕の日射量が少ないときにも効率よく運転するように、トータルの発電効率、連系時の効率を重視しています。サポート体制はオムロンフィールドエンジニアリングの全国140拠点を活用したサービスを提供します。蓄エネや省エネも合わせたトータルのエネルギー効率の最大化を実現
できるよう、お客様へ提案していきます」と方針を語った。

オムロン株式会社
環境事業推進本部
TEL 0120-85-606
http://www.omron.co.jp/energy-innovation

2022.07.27

PVeye

ヤマガタデザイン、山形県内でPPA展開 教育分野に資金還元

街づくり会社のヤマガタデザイン(山形県鶴岡市、山中大介社長)は2022年7月、太陽光発電のEPC企業、FD(愛知県刈谷市、鈴木政司社長)と、冠婚葬祭業のジョインの施設に太陽光発電設備を設置した。第1号続きを読む

2022.04.08

PVeye

伊藤忠商事、米国に再エネ開発会社設立

 伊藤忠商事は2022年3月24日、米国で再生可能エネルギー発電所開発会社を設立したと発表した。再エネ発電所の開発に特化する事業会社を立ち上げ、効率的な開発と収益の拡大を狙う。主に太陽光発電所を開発し続きを読む

2022.04.07

PVeye

北海道電力、太陽光ゼロ円設置開始 新築住宅向け

 北海道電力は2022年3月1日、新築住宅の所有者が住宅用太陽光発電設備を初期の負担なく設置できるサービスを開始した。顧客とリース契約を結び、毎月定額の料金を徴収する。
 同社は、今回の続きを読む

2022.03.08

PVeye

セイコーエプソン、富士見事業所に太陽光導入 SMFLみらいとPPA

 プリンター製造のセイコーエプソン(小川恭範社長)は2022年2月15日、長野県富士見町内の事業所に太陽光発電設備を導入した。三井住友ファイナンス&リース子会社のSMFLみらいパートナーズとPPA(電続きを読む

2022.03.07

PVeye

キユーピー、FIT太陽光を実質再エネに 神戸工場にはPPA導入

 食品大手のキユーピー(長南収社長)は2022年2月20日、既設の太陽光発電設備を活用して渋谷本社と研究施設で使用する電力を実質再生可能エネルギー電力に切り替えた。神戸工場にはPPA(電力売買契約)で続きを読む

2022.03.02

PVeye

横浜環境デザイン、PPAで太陽光導入

 太陽光発電設備の販売・施工やO&M(管理・保守)を手掛ける横浜環境デザイン(横浜市、池田真樹社長)は2022年2月7日、マテックス(東京都豊島区、松本浩志社長)の横浜事業所に太陽光発電設備と蓄電設備続きを読む

2022.03.01

PVeye

エムケイジャパン、可搬型蓄電設備発売 蓄電容量2kWh

 中・イーノウの国内総代理店であるエムケイジャパン(東京都荒川区、林軍社長)は2022年2月2日、電子商取引サイトでイーノウ製の可搬型蓄電設備を発売した。従来品より価格を抑え、民生用の非常用電源として続きを読む

2022.02.28

PVeye

シン・エナジー、リコー子会社にPPAで太陽光カーポート導入

 新電力会社のシン・エナジー(兵庫県神戸市、乾正博社長)は2022年2月16日、リコー(山下良則社長)の100%子会社、リコーインダストリー(神奈川県厚木市、戸倉正社長)に太陽光パネルを搭載したカーポ続きを読む

2022.02.17

PVeye

グッドオンルーフス、アフリカに太陽光無償提供 国連開発計画と提携

 アフリカで電化事業を手掛ける一般社団法人グッドオンルーフス(東京都千代田区、草賀純男代表理事)は2022年1月21日、国連開発計画のブルキナファソ事務所(マチュー・シオヴェラ代表)と契約を結び、太陽続きを読む

2022.02.12

PVeye

西海市、日産自らと脱炭素化で協定締結

長崎県西海市は2022年1月28日、日産自動車(内田誠社長)ら9社と市内の脱炭素化に向け、連携協定を締結した。電気自動車や再生可能エネルギーを普及させ、脱炭素化を進めつつ、災害に強い町づくりを目指す。続きを読む