大阪信用金庫（大阪市天王寺区、樋野征治理事長）、ジュピターテレコム（東京都千代田区、森修一社長）、住友商事（東京都中央区、中村邦晴社長）、住友倉庫（大阪市西区、安部正一社長）、住友電気工業（大阪市中央区、松本正義社長）、ダイヘン（大阪市淀川区、田尻哲也社長）、日立造船（大阪市住之江区、谷所敬社長兼COO）、レンゴー（大阪市北区、大坪清社長）、NTTファシリティーズ（東京都港区、筒井清志社長）の9社は11月11日、2012年11月に着手したメガソーラーを中心とする環境貢献事業『大阪ひかりの森プロジェクト』について、建設工事が完了し、事業を開始したと発表した。
　『大阪ひかりの森プロジェクト』は、大阪市此花区夢洲の北港処分地の有効活用を目的としてスタートした官民協働の企業参加型環境貢献事業。同プロジェクトは、資金やノウハウを持つ複数の企業がリースを活用してメガソーラーの設置コストを分担、発電した電気を電力会社へ売却した収益をコスト分担割合に応じて受け取ることができるというもの。大阪市此花区夢洲１区の廃棄物埋立処分場のうち約15haに発電規模10MWを設置した。
　大阪市が設置場所を提供、官民が協働する新しい仕組みであるSGS（Solar-power Group Share）というスキームを採用、地域全体での取組みとしての広がりが期待されているという。計画当初は、ジュピターテレコム、住友商事、住友電気工業、ダイヘン、日立造船、レンゴー、NTTファシリティーズの7社で事業着手したが、住友倉庫、大阪信用金庫の2社が新たに参画、9社でプロジェクトを推進している。SGS運営組織は、資産保有者が三井住友ファイナンス＆リース、管理運用受託者がサミットエナジーである。
　メガソーラーの設置場所である北港処分地は、一般廃棄物の焼却灰などの埋立処分地であり、埋立て完了後も長期間通常の土地活用が制限されている場所である。同プロジェクトは『人々が1本ずつ木を植えて森をつくるように、さまざまな企業が協働で“ひかりの森”を創る』というコンセプトのもと、埋立てが完了した区画を環境貢献につながる大規模なメガソーラー事業用地として有効活用するという。発電される電力は再生可能エネルギーとして固定価格買取制度の対象であり、関西電力を通じて、クリーンな電力として地域の生活と経済活動を支えていく。
　また、同プロジェクトは廃棄物処分場という非常に制約が多い場所に建設されているため、企業が様々な工夫を行うなど、長期間の安定稼働対策を講じている。しかし、それでも建設維持管理コスト負担は大きいため、内閣府から総合特区事業としての利子補給や大阪市から地方税の優遇措置を受けるなど、国・地方自治体・民間企業が連携し、プロジェクトを実施している。