東芝（東京都港区、田中久雄社長）は11月26日、東北電力が実施する「西仙台変電所周波数変動対策蓄電池システム実証事業」向けとして、出力40MWの蓄電池システムを受注したと発表した。基幹系統の変電所に設置するものとしては、世界最大となる。
　今回、同社が受注した蓄電池システムは、最大出力40MW、容量20MWh。約1万回以上の充放電が可能な長寿命であることに加え、高い安全性や低温動作などで優れた特性を持つ東芝製リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を搭載している。東北電力西仙台変電所に設置され、気象条件により出力が変動する風力発電や太陽光発電の普及拡大に伴う周波数変動対策の新たな取り組みに用いられるという。
　同社は、蓄電池システムについて、横浜市や宮古島市が進めるスマートコミュニティ実証事業のほか、米国において環境配慮型商業施設の構築を目指す「プラグイン・エコシステム（Plug-in Ecosystem）実証試験プロジェクト」にも参画。商用では、イタリアのローマ市配電・水道公社であるアチア社からも蓄電池システムを受注しており、国内外で幅広く蓄電池事業を展開してきた。同社は、「今回の大規模出力蓄電池システムの受注を通じ、拡大が予想される蓄電池市場の活性化と日本における蓄電池の国際競争力強化に貢献するとともに、アンシラリーサービス向けをはじめとする大規模蓄電池システムの普及拡大に向け、グローバルに事業を展開していきます」とコメントしている。