楽天（東京都品川区、三木谷浩史会長兼社長）は1月6日、100％連結子会社であるRSエンパワメント（東京都品川区、髙澤廣志社長）と日本エコシステム（東京都港区、中村雅人社長）、ハンファQセルズジャパン（東京都港区、金鍾瑞社長）の3社共同で特別目的会社（SPC）を設立し、屋根借り方式の太陽光発電プロジェクトを開始すると発表した。
　今回、3社は、「RNHソーラー西日本合同会社」を設立、「楽天トラベル」契約施設や企業の倉庫などの屋根を活用した太陽光発電プロジェクトを実施する。第1号案件は、「楽天トラベル」契約施設である「湯郷観光ホテルかつらぎ」。RNHソーラーは、屋根の賃借契約に基づき、西日本エリアを中心に3000kW程度の太陽光発電パネルを設置していく。プロジェクトでは、責任財産を発電事業から生み出す売電収入および匿名組合出資のみに限定したノンリコースローンによるファイナンスを採用。合同会社（GK）と匿名組合（TK）を利用した「GK-TKスキーム」にて実施することにより、出資者のリスク軽減を図れるという。
　発電事業におけるプロジェクトファイナンス組成については、関西アーバン銀リース（大阪府大阪市、山口高宏社長）と太陽光発電事業に必要な資金に関する契約を締結。このプロジェクトファイナンスは、同一企業のグループ関連施設を主な対象としたものとは異なり、100件程度の複数企業との屋根賃貸借契約に基づく太陽光発電プロジェクトを対象とした国内初の取り組みになるという。関西アーバン銀リースが太陽光発電事業に必要な設備のリースを行い、日本エコシステムが設備の設置工事と運用・保守、楽天がアセットマネジメントなどをそれぞれ担っていく。
　なお楽天は国内損保大手と共同で「太陽光発電システム総合補償プラン」を新たに開発。通常の損害保険と同様の補償に加えて、自然災害による売電収入低下のリスクを限定化した補償スキームを整備し、プロジェクト収益の安定性を向上させる。