京セラが方針見直し 単結晶パネル発売へ
2014.02.26
PVeye
太陽電池国内大手の京セラ(京都市伏見区、山口悟郎社長)は2月26日、単結晶シリコン型太陽電池モジュールを製品化すると発表した。同社が単結晶型を発売するのは初めて。多結晶シリコン型の生産に特化してきたが、ここに来て商品戦略を改め、双方を併産する。
単結晶型は、多結晶型と比べて変換効率が高く単位面積当たりの発電量は多い。だがその分シリコン純度も高く多結晶型よりも割高だ。それだけに、限られた屋根面積で高効率な発電が求められる小規模発電所や住宅用には単結晶型が、大量のモジュールを必要とするメガソーラーには多結晶型が採用されるケースが多い。
ただ京セラは、割安な多結晶型で高効率化技術の開発を強め、メガソーラーから住宅用まで全方位に拡販していく方針を貫いてきた。それを大幅に見直し、今回単結晶型の量産に着手する。
京セラ広報部は、「単結晶型の研究開発も従来から取り組んでおり、このタイミングで商品化に至った」とするにとどめたが、方針の見直しには、国内市場の変化と多結晶型の訴求力低下が背景にあるとみられる。
メガソーラーの需要は今のところ旺盛だが、適地の減少も目立つなか、今後先細りする公算が大きい。その反面、出力50㎾未満の小規模産業用や住宅用などの屋根設置の需要は底堅く、まだ伸び代があるともいわれている。
この状況下、単結晶型の商品開発が進展する。N形ウエハを使用したモジュール変換効率20%を超える超高効率品が出回る一方、コスト低減を実現した割安な単結晶型も市販されており、多結晶型の商品差別化が薄れつつある。
それらを見越して、京セラは、商品戦略を再考し、単結晶型の生産に踏み切ったものと思われる。
同社が今回発表した単結晶型モジュールの変換効率は19%。将来的には22%以上を目指し開発を進めていく構えだ。国内の住宅市場向けに今年4月から販売を開始する。
一方、多結晶型の高効率化への技術開発にも余念がない。2月26日、多結晶セルで過去最高の18.6%の変換効率を達成したと公表した。今夏にも本セルを搭載したモジュールの販売を開始する予定だ。
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